グローバル人材と会社側のミスマッチ

【グローバル人材とは】

「世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」(「産学官によるグローバル人材の育成のための戦略」、平成23年4月28日)

 

このブログではグローバル人材とは一体なんなのか、私が2年間外国人として日本の会社で働きながら感じてきたことを書いていきたいと思ってます。

 

【グローバル人材とは】

「世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」(「産学官によるグローバル人材の育成のための戦略」、平成23年4月28日)

 

このブログではグローバル人材とは一体なんなのか、私が2年間外国人として日本の会社で働きながら感じてきたことを書いていきたいと思ってます。

 

【そんなスーパーマンは存在しない】

先に結論から申し上げますと上の定義のような人材は日本の会社には入る可能性が非常に低く、上記の定義に当たる人材は日本の会社を避けると私は思っております。それらの理由をこちらで述べたいと思います。

【外国人がグローバル人材として入社する場合】

日本の会社がよく採用の時間違えるのは、私たち日系の外国人、その他日本語が堪能な外国人をグローバル人材として採用し日本人と同一の存在として扱われる場合があります。しかし、日本人としてのアイデンティティを保持している人は少ないです。なぜなら、単純な話、血が繋がってあろうとなかろうと私たちは国籍上外国人扱いになりますし日本人ではないからです。教育、文化、育ってきた環境も異なる為、自分が日本人だということを自覚し働く人は非常に少ないです。勿論日本の文化に馴染もうとする外国の人もたくさんいらっしゃいます。しかし職場において、そういった壁を乗り越えるのは非常に困難です。職場は狭い環境で人間関係、利害関係、様々な思惑が渦巻いている場所です。

 

そしてそのような壁を乗り越えてコミュニケーションが取れるスーパーマンみたいな存在は、日本の会社には入って来ないか、或いは数年の職務経験後転職活動をえて外資系会社や一部グローバル化が非常に進んでいる日本の会社に転職する可能性が高いです。(一部グローバル化が進んでいる会社については後ほどお伝えします)結論を述べますと、外国人はグローバル人材の定義とは異なり、日本の会社に馴染む人は極少数と言えます。

 

【職場環境】
私が日本の保守的な会社に入り感じたこととして、上記でお伝えしました人間関係、利害関係、空気を読む文化など日本独特の職場文化(Corporate Culture)がグローバル人材が日本の会社に馴染めない理由の一つだと感じております。

 

職場はある意味社会の縮図です。教育、文化、生活習慣、思考、行動などが日々の業務において反映されます。日本は全体主義の傾向が強く、個を抑制し組織のために尽くすという考え方が広く受け入れられています。日本は文化の統一性を保つために沖縄から北海道まで同等の教育を受け、同一の思考を持ち、そして同一の生活習慣を保っています。そしてこのような思考や行動が職場でも現れています。仮にこのような考えを持っている職場において、上記のようなグローバル人材が入社したとします。

 

そうしたら、ほとんどの人材は出る杭は打たれるということでグローバル人材としての特性を失い、会社を出て行くか或いはその職場に馴染むよう型にハマり個を捨てるということになるでしょう。そうすると当初のグローバル人材として入社する意味がなくなってしまいます。いくら本人が「広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」だとしても、職場環境、そして職場にいる人々がそうではない限り大抵のグローバル人材は嫌気がさしやめていきます。いくら下がグローバル人材という名の超人だらけであろうと、上の経営層が変わらなければ下にいる人たちはいつか限界がきてやめていきます。グローバル人材の人たちが合わせようと精一杯努力しているのに、上の経営陣はグローバル環境に合わせようとしない、これでは話が一方的すぎて矛盾しています。なので、グローバル人材は日本の会社を選ぶという選択をする人は少ないのです。

 

勿論日本の会社に馴染み、上記の定義に当てはまる人材もいます。ただ、そういうスーパーマンみたいなサラリーマンは圧倒的に少なく、そのような人材を求める今の日本の会社はおかしいとしか言いようがありません。このような人材を求めるのなら、グローバル人材を受け入れる体制の準備をまず始める。例えば、職場の空気や給料などの待遇面を改善するべきだと私は思います。